元気っ子
No. 59 平成15年2月3日

                                                        主任 市川温予

 冬の窓から差す暖かな太陽の光がとても心地よく、子どもたちは元気いっぱいです。

 さて、「異年齢児集団保育」がスタートして、7ヶ月が過ぎました。子どもたちも自然な形で生活できるようになりました。3歳から6歳までの年齢の幅の中で、子どもたちはいろんなことを感じ、いろんなことを考えているのだと思います。

 この間、こんなことがありました。ある3歳児と4歳児の子が牛乳パックや新聞紙を利用して恐竜を作っていたらケンカが始まり、3歳児は自分のいいたいことを一方的にしゃべり続けていました。そうしたら、4歳児が「もー、○○ちゃんばっかりしゃべっとったらあかんやんか、ぼくのこともきいてよ」と怒りました。すると3歳児がうなずき「ごめん、ごめんなー」と謝っていました。

 異年齢である子どもたちがトラブルを起こしている中でも、学ぶことはいっぱいあります。私はこれは大人が介入しないほうがいいなと判断しました。トラブルという内容のボールをお互いにキャッチボールするのがいいのですが、(一方的に3歳児がしゃべり続けたという)ボールを独り占めして離さなかったことに4歳児は腹を立てたのでしょうね。でも、最後には仲直りし、いっしょに遊んでいました。

 おゆうぎ会に向けて、異年齢がうまく混じって取り組んでいます。自分のしたい役になり、演じたり、お客さんになってみたり、その日その日で子どもたちが自分で役を選んで楽しんでいます。大人から強制的にやらされたのではなく、自分たちがやりたいと思ったことを選んでいるので表情も生き生きとしています。そんな中で、大きい子が小さい子にセリフをそっと教えてあげたり、大きい子が上手に演じていると小さい子が「すごーい」と観客席で手を叩いたりと、見ていると心がほんわか温かくなる場面がいくつかありました。

 人間関係を築くということは一生続くものであり、学校以外のすべての社会は異年齢であり、人間関係は自己を主張すること、他人を認め譲り合うことの二つが基本だと私は思います。今、ながさわ保育園がしている保育形態「異年齢児集団・コーナー保育・活動選択」はとても大切なことだと私は強く感じています。

 自由で自主的に遊ぶ姿こそ、子どもの自然な遊びだと思います。何をしてもどのように遊んでも危険さえなければ子どもの自主性に任せ、大人が強制するものではない、また、子どもの遊びはこうでなくては…などというものではなく、最終的に「子どもたちが夢中になってどう遊ぶか」がとってもとっても大切なことだと思います。そのためには、私達大人が一人ひとりをよく観察し、今子どもたちはなにをしたがっているのか、そのためにはどういう環境を用意してあげればよいのかをよく考え、適切な援助、言葉がけをしなければと思っています。

保育・子育て 雑感                                                

事務 水 野 宏 和

今回は、ドイツの「小学校」について少し話してみましょう。

 

 ドイツでも、子どもたちは6歳になると小学校へ行きます。いや、正確に言うと、小学校に行く権利ができます。つまり、6歳で行き始めるか、もう少し幼稚園(保育園)で遊んでからにするかを選べるというわけです。日本だったら、「6歳の春に小学校入学」というのは、当たり前だとみんなが考えていますよね。だから、日本ではよっぽどのことがない限り、7歳になっても保育園に通っているという子はいません。ドイツでもたいていの子は6歳で小学校に行くようですが、中には「もう少し幼稚園で遊ばせてあげよう」とか、「この子には余裕を持って初等教育を受けさせたい」と考える親もいて、7歳から小学校に行き始めるのも特別なことではないそうです。社会も親も自立していると感じます。

 また、ドイツの小学校には「落第」があります。「そんな小さいのにかわいそう」と思う方もいるかもしれません。でもよく考えてみると、例えば一年生で習得すべき基本的な学習内容を理解していない子をそのまま自動的に二年生にしてしまうことのほうがかわいそうではないでしょうか。きっとその子は二年生の学習内容も三年生のそれも満足に理解していないまま中学校に送られてしまうのでしょう。これは、ドイツという国(社会)がきちんと「次世代を育てる」という役割を認識している一例でしょう。


 ドイツの「小学校」は、低学年も高学年もすべて午前中で終わりだそうです。だから、基本的に子どもたちはみんなお昼にはお家に帰ります。体育、音楽、美術などの科目は午前中の正課授業にはなくて、午後に課外として希望者に教えているようです。あるいは、サッカーや水泳など自分のやりたいスポーツクラブに入ったり、美術教室に通ったり、ピアノやバイオリンを習ったりして午後を過ごします。両親が働いている子どもたちは学童保育所にいったりもします。

 そんなドイツでも、国民の間からは、公立小学校の全日制化や乳児保育の実施などを望む声もあがっているということは聞きました。所定労働時間が週30時間そこそこのドイツですが、職務体系はさまざまで、働く親の要望も色々のようです。おそらく、これは世界中どこの先進国も同じような状況だと思います。日本で当たり前と思っていたことが、実は世界ではそうではないということを改めて感じました。保育や子育てについても、「自分の常識は世間の非常識」の可能性があることを常に意識する必要がありそうです。

(次号につづきます)


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